第219回 国会 高市内閣総理大臣所信表明演説 ―(令和7年10月24日閣議決定)―

高市内閣総理大臣が所信表明演説の中で物価高対策として、次のような表明をされてい
ます。
物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては、事業者
の経営が苦しくなるだけです。継続的に賃上げできる環境を整えることこそが、政府の役
割です。しかし、実質賃金の継続的上昇が定着するまでには、一定の時間を要します。ま
た、経営難が深刻化する医療機関や介護施設への支援なども、急を要します。既に、経済
対策の策定に着手するよう指示を行いました。野党の皆様との真摯な対話と合意を積み重
ねながら、速やかに対策を取りまとめ、必要な補正予算を国会に提出いたします。

国民の皆様のいのちを守り、安心して必要なサービスを受けていただくためにも、赤字
に苦しむ医療機関や介護施設への対応は待ったなしです。診療報酬・介護報酬については
、賃上げ・物価高を適切に反映させていきますが、報酬改定の時期を待たず、経営の改善
及び従業者の処遇改善につながる補助金を措置して、効果を前倒しします。
また、健康医療安全保障として次の表明もありました。
これまでの政党間合意も踏まえ、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しや、電子カル
テを含む医療機関の電子化、データヘルス等を通じた効率的で質の高い医療の実現等につ
いて、迅速に検討を進めます。

高齢化に対応した医療体制の再構築も必要です。入院だけでなく、外来・在宅医療や介
護との連携を含む新しい地域医療構想を策定するとともに、地域での協議を促します。加
えて、医師の偏在是正に向けた総合的な対策を講じます。あわせて、新たな地域医療構想
に向けた病床の適正化を進めます。
こうした社会保障制度改革を進めていく中で、現役世代の保険料負担を抑えます。当面
の対応が急がれるテーマについては、早急に議論を進めます。
また、「攻めの予防医療」を徹底し、健康寿命の延伸を図り、皆が元気に活躍し、社会
保障の担い手となっていただけるように取り組みます。特に、性差に由来した健康課題へ
の対応を加速します。私は長年、女性の生涯にわたる健康の課題に取り組んでまいりまし
たが、昨年、「女性の健康総合センター」が設立されました。本センターを司令塔に、女
性特有の疾患について、診療拠点の整備や研究、人材育成等に取り組むなど、その成果を
全国に広げてまいります。

次回の診療報酬・介護報酬改定を待たずに、医療・介護ともに賃上げ施策が前倒しとな
ることが予想されます。今後の動向に注目が必要です。
首相官邸HPより 一部抜粋
https://www.kantei.go.jp/jp/104/statement/2025/1024shoshinhyomei.html