厚生労働省は、介護保険サービスを使う65歳以上の高齢者のうち、自己負担が2割になる人の対象拡大を巡り、1日の社会保障審議会で新たに対象となる人の負担の増加額を、当面は月7000円を上限とする案と2割負担とする所得基準を4案示しました。高齢者の暮らしに配慮し、当面の負担額を抑えることで、対象拡大に理解を得たい思惑があります。
厚労省は財源確保のため、2割負担とする所得基準を引き下げて対象者を増やすことを検討しています。新たな対象者は、1割負担だった時より最大で月22,200円の負担増となり、厚労省案は、急激な負担増を避けるために、月7000円を増額の上限としました。現行では、利用者負担は原則1割で、年金を含む所得が一定以上(年収280万円以上など)の人は2割、所得が現役世代並み(同340万円以上など)の人は3割を負担しています。
これに対し、2割負担の新たな所得基準として、「年収260万円以上」から「年収230万円以上」までの4案を示しました。所得基準を引き下げて2割負担の対象者を広げるほど、税金と40歳以上の人が納める保険料で賄う給付費は削減され、保険料の上昇抑制につながります。「年収260万円以上」で年80億円、「年収230万円以上」で年210億円の削減効果があるとの試算も明らかにしています。
2割負担の対象を拡大する4案
所得基準(年収)
現行のまま280万円以上 2割負担となる人数 年間の削減効果
260万円以上 13万人 80億円
250万円以上 21万人 120億円
240万円以上 28万人 170億円
230万円以上 35万人 210億円
また、新たに2割負担になる人の負担軽減に向けては、金融資産を考慮し、預貯金など
が一定額以下の人について、本人の申請によって1割負担を維持する案も検討しています
。
厚労省は金融資産の一定額について、「700万円以下」「500万円以下」「300万円以下」の3案を示しており、金融資産には、預貯金だけでなく、現金や有価証券、投資信託、住宅ローン(負債)なども含めます。虚偽の申請によって1割負担でサービスを利用していることが判明した場合、差額の支払いと加算金が請求されます。
厚労省は2027年度の制度改正に向け、年末までに方向性をまとめる方針です。
2025年12月2日 読売新聞オンラインより一部抜粋
https://news.yahoo.co.jp/articles/87f942d6c5aca2f59de640a45a06bdec589dca74