医療保険制度改革に向けた健康保険法などの改正案を政府は2026年3月13日に閣議決定しました。現役世代の保険料軽減を狙って「OTC類似薬」が処方された患者に薬剤費の25%の追加負担を求める制度を新設し、75歳以上の人に医療費の窓口負担割合に株式配当などの金融所得を反映させる仕組みを徹底することになりました。金融所得を後期高齢者の医療費などに反映する仕組みは、支払い能力に応じた負担を求める政府方針の一環です。
また、出産費用の無償化についても盛り込まれています。
医療費の自己負担を抑える「高額療養費制度」の負担額を少なくとも2年ごとに検証する規定も検討されましたが、与党との調整の結果、負担引き上げが定例化するという不安感を与えかねないとして法制化が見送られました。一方、負担を見直す際に長期治療患者の経済的負担を考慮すると法案に明記し、長期治療患者への配慮を強調しています。
OTC類似薬に追加負担を求める「一部保険外療養」は、来年3月開始を目指します。解熱鎮痛剤ロキソニン錠、花粉症に用いられるアレグラ錠などを含む77成分約1100品目が想定されていますが、子供やガン、難病患者らは対象外となっています。
上野賢一郎厚生労働相は記者会見で「公的医療保険制度を維持するには不断の改革が必要だ」と述べています。
改革のポイント
1 OTC類似薬は薬剤費の25%の追加負担を求める制度の新設
2 75歳以上の医療費窓口負担割合に金融所得を反映させる仕組みを徹底
3 出産は全国一律の分娩費を設定し、公的医療保険で賄い無償化
4 高額療養費制度の負担額見直しは長期治療患者の家計影響を考慮
2026年3月14日 京都新聞 第2面より一部抜粋