日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本循環器学会に新しく日本緩和医療学会が加わった4学会により、約11年ぶりの指針改定案が示されました。
救急搬送されたり集中治療を受けたりする患者の延命治療終了に関して、合同で策定したガイドライン案が公表され、意見公募(各学会ホームページ3月27日まで)が2月27日から始まっています。患者の意思の尊重を原則とし、最終的な判断を医療者らと本人、家族が話し合いで決定する手順が明記され、苦痛を取り除く緩和ケアを具体的に示す文書も付属されています。
現行指針では、意思決定過程や緩和ケアの具体的な記述が乏しく、患者や家族が延命治療の終了を望んでも、医療者側が法的責任を問われることを懸念し、治療が継続されるケースがあります。手順を示す指針があれば、医療者側も患者らの意思に沿いやすくなると期待されています。
公表されたのは「生命維持治療の終了/差し控えに関するガイドライン」案で、治療終了を判断する時期は限定せず、生命維持治療という用語を使用しています。人工呼吸器などを使った生命維持治療を開始しない、または終了するとの判断は、患者を中心に家族や医療者が共同決定するとしており、意思が確認できず、推定もできない場合は、患者にとって最善の方針をとることとなります。
緩和ケアは、生命維持治療終了前の早期から必要であり、適切なケアを提供できない状態では治療を終了すべきでないと指摘しています。付属文書では、生命維持治療を終了する前の話し合いの手順が示され、協議を重ねるよう求めています。呼吸困難や痛みなど、苦痛の種類ごとの対応も記載されています。家族への支援も重視し、丁寧な状況説明や面会制限の緩和など、意思決定前から看取り後まで各段階の対応例を挙げています。
2026年2月27日 日本経済新聞 ネットニュースより一部抜粋
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF279I10X20C26A2000000/