2026年4月22日(水)、憲政記念館において「リハビリテーションを考える議員連盟」の第13回総会が開催されました。 本総会には、多くの国会議員(衆議院194名、参議院53名が加盟)や関係省庁の担当者が集まり、リハビリテーション専門職を取り巻く喫緊の課題について熱い議論が交わされました。また衆議院選挙東京比例ブロックにおいて当選された理学療法士 田中まさし衆議院議員が事務局長代理に就任することが承認されましたこともご報告いたします。
司会進行 小川かつみ 参議院議員(全国比例区)
■ 質量ともにパワーアップした議連の活動
冒頭、鈴木俊一会長は、先の衆議院選挙でのリハビリ関係団体による力強い支援に感謝を述べるとともに、新たに69名の先生方が入会し、議連が質量ともにパワーアップしたことを強調しました。 また、リハビリテーションの役割が脳梗塞や交通事故後の機能回復、さらには生活水準の向上や予防において極めて大きいことを再確認し、政治的にリハ職を支援していく決意を表明しました。
会長挨拶 鈴木俊一 衆議院議員(岩手2区)
■ 3療法士会からの「7つの重点要望」
日本理学療法士協会の佐々木嘉光副会長、日本作業療法士協会の山本伸一会長、日本言語聴覚士協会の内山量史会長より、以下の7つの重点事項が説明され、最後に、日本理学療法士協会 斉藤秀之会長より「攻めの予防医療の視点でリハビリテーション三療法士を国家戦略として積極的な政策投資をお願いしたい」と力強く要望されました。
- 「理学療法士及び作業療法士法」の抜本的見直し: 1965年の制定以来、約60年間一度も改正されていない現状を打破し、予防・健康づくりなどの活動実態に合わせた法改正を求めました。
- 養成教育の4年制化: 世界標準の教育水準(学士課程)に合わせ、3年制教育から4年制以上への完全移行を主張しました。
- 厚生労働省内への統括部署(リハビリテーション課)の設置: 各省庁にまたがる施策を一括して推進する「司令塔」の設置を求めました。
- 恒久的財源による処遇改善: 賃金統計で全産業平均との差が拡大(102万円の差)している現状を訴え、報酬改定に左右されない継続的な支援を要望しました。
- 一気通貫のリハ政策と新たな財源措置: 医療・介護から海外展開までを見据えた国家戦略としての位置づけと、AI・DX活用を含む積極的な投資を要望しました。
- 「訪問リハビリテーションステーション(仮称)」の新設検討: 事業所がない自治体が約4割にのぼる地域偏在を解消し、退院直後のリハ供給を確保するための新たな仕組みを提案しました。
- 在留資格「医療」への言語聴覚士の追加: 外国人留学生が資格取得後に日本で活躍できるよう、制度の不備を正すことを求めました。
■ 省庁の回答と議員側からの叱咤激励
厚生労働省からは、令和8・9年度にわたる3.2%のベースアップ措置や、省内にリハ政策の横断チームを立ち上げる方針が示されました。 しかし、出席議員からは「60年も法改正を放置してきたのは行政の不作為ではないか」「通知を出しても現場の処遇改善に反映されていない」 といった厳しい指摘が相次ぎ、より踏み込んだ対応を求める声が上がりました。
また、名称独占の問題(「リハビリ機能回復士」などの紛らわしい名称の横行)についても、抑止力が不十分であるとして具体的な法改正の検討が強く促されました。
■ 決議案の採択
総会の最後には、上記の要望事項を柱とする決議案が全会一致で採択されました。 鈴木会長は「60年ぶり、ほったらかしにしたものをどうするか。これをやることで個々の提言も前に進む」と述べ、実現に向けて議連として全力でバックアップする決意を締めくくりとして語りました。
リハビリテーションを考える議員連盟 決議(案)
- 「理学療法士及び作業療法士法」の、次代を見据えた抜本的見直しを、当事者団体との協議を踏まえて早急に実施すること
- リハビリテーション専門職の養成教育を、単能工的な専門学校教育から4年制大学における養成課程とすること
- 国家戦略としてのリハビリテーションを展開するため、それを統括する部署を厚生労働省内に早急に設置すること
- 報酬改定に紐づかない恒久的財源による処遇改善を早急に図ること
- 医療・福祉・予防・保健・海外展開にいたる一気通貫のリハビリテーション施策の推進及びこれに必要な新たな財政措置を図ること
- 訪問リハビリテーションサービス提供専門機関新設の検討を始めること
- 外国人在留資格「医療」の項に「言語聴覚士」を追記すること
日本理学療法士連盟は、本議連と緊密に連携し、理学療法士の社会的地位向上と職域拡大、そして国民の皆様に質の高いリハビリテーションを提供できる体制整備に向けて、これからも活動を続けてまいります。
質疑応答にてご発言された国会議員
松本尚 衆議院議員(千葉13区)
田畑裕明 衆議院議員(北陸信越ブロック)
上月良祐 参議院議員(茨城選挙区)
櫻井充 参議院議員(宮城選挙区)
高橋はるみ 参議院議員(北海道選挙区)
菅原一秀 衆議院議員(東京9区)
三ツ林裕巳 衆議院議員(埼玉13区)
若林洋平 参議院議員(静岡選挙区)
斎藤洋明 衆議院議員(新潟3区)
鈴木貴子 衆議院議員(北海道7区)
自見はなこ 参議院議員(全国比例区)
大空幸星 衆議院議員(東京15区)
新谷正義 衆議院議員(広島4区)
