2025年2月14日(金) 参議院議員 田中まさし事務所にて、理学療法士で参議院議員の 田中まさし氏・ 小川かつみ氏お二人の組織内議員と、当連盟 山根一人 会長が司会進行で、理学療法の未来に向けて対談いたしました。

~与党の組織内議員2名がそろう~
山根:
皆さんこんにちわ。まずは皆さんにお伝えしたいことがありまして、小川かつみ先生が繰り上げ当選されました。
一言お願いいたします。
小川:
私の復帰に際して、私の同期の友人の不幸があったという悲しい事実ですけれども、その彼の想いも含めて取り組んでいきたいと思っております。一期目にやり残したこと結構あるんですね。そこを田中議員がその後しっかりとサポートしてくれているんですけど、そこをさらに横に広げて、理学療法士ここにありと、リハビリテーション専門職ここにありという事をしっかりと訴えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

山根:
もうひと方、田中まさし先生です。処遇改善等で小川先生からの言葉にもありましたけれども、引き続き頑張っていただけるということで、どうぞ一言お願いいたします。
田中:
小川先生にお越しいただいて、「小川さん帰ってくるね」と、結構先輩の先生方から言われて。念願の2人の与党議員が誕生したのは、2人とも繰上りではありますが、非常に大きいことですね。政治の世界は、少なくとも与党議員がいないことは民意がないということですから、そういう部分では我々の業界の新しい未来をつくっていく 民意というか「力」が2倍になったということは、前に進めていく力がより多くなったことは大変良かったなと思っています。常々、政治は結果と言っていますので、とにかく小川先生と力を合わせて、結果にこだわっていきたい。その一環として「処遇改善」ですね。十分上がってないですね。若い先生方、本当に所得が低い状況で物価が上がって生活苦しい状況ですから、先生方に元気をだして地域の中で活躍いただくためにも、何としてもこの処遇改善、これはこれからも引き続き継続して、実現していかなくてはいけないと思いますので、これからも力を合わせて頑張ってまいりたいと思います。

~処遇改善について~
山根:
800数億円の処遇改善、あれは大きかったですね。
田中:
補正予算ですね。昨年の政調全体会議とか、補正予算の会議、党の会議でも、日本理学療法士協会・日本作業療法士協会・日本言語聴覚士協会合同でされた調査結果、全然上がってないです。賃金が上がってない人もいる。ベースアップなのに基本給が上がっていませんよと、僕が聞いている中ではですね、これは会議等で言いましたけど、手当4,000円上げて4万8千円です年額、賞与でカットしている結構な病院持っている医療法人ですらこういうことをやっている。これ大問題じゃないですかと。国としてですね、皆さん方の所得をしっかり引き上げるためにはしっかり財源を積んで、全員の方にきちんと届く仕組みというのを、政府としてちゃんとやらなければいけないことは、常々言っておりまして、結構うるさく言ってきたというのもあって、少しそれが実現の方向に形づくられたのは、大変喜ばしかったなと思うのですが、抜本的な解決ではないですから、これは引き続きちゃんとやっていかないといけない。
小川:
給料が上がっていないというのも、ずっと現職の時からそうだったんですけど、岸田総理の時に「その通り」と引き出したということは、一つ(処遇改善に)つながっているかなと思っているんですけども、その頃、岸田総理にお願いしたかったのは特定財源をつくってほしいということだったので、一般に横並びで他の職種もそうなんですけど、上がってないですよ、ほとんどで。理学療法士だけじゃなくてですね。だから上がっていない中で理学療法士をきちんと正当に評価してほしいというのが私の願いでもあったので、そこに理学療法士・作業療法士・言語聴覚士リハ職の全体的な底上げをしてもらうためには、いわゆる診療報酬の改定だとか、そういうことだけじゃなくて、そのために財源をつくってほしいということは私の願いであります。そこにつなげたかったという事が一つあります。その流れが処遇改善、GDPも少しずつ上がってきた、それから所得も少し上がってきて、それが追い付かないほどの物価上昇もありますけど、そういう意味ではいい時期を迎えている。
それから田中議員が言われたように2人が揃ったということ。2人揃っている中でぜひ取り組みたいのが、田中議員がずっと声高に言ってくれているんですけども、やっぱり法改正ですよ。法改正に結びつけるためには、やっぱり教育制度も変えなくてはいけない。この二つをダブルでやることによって、さまざまな問題が片付くというふうに思います。ですから、そこを今にのうちにしっかり取り組みたいなというふうに思います。処遇改善というか、リハ専門職の本当の意味での価値評価になっていくというふうに思いますのでしっかり取り組みたいと思っています。
山根:
ありがとうございます。ぜひお願いいたします。
国会で知り合い、友達、知り合いの友達がいらっしゃると思います。2人になることでその総枠が増えるわけですか?
小川:
増えますね。田中議員と私の性格は全く違うので、田中議員の人脈と私の人脈と違うの、それが二つに重なるということですごく幅ができる。
~法改正等のリハビリテーション政策を実現するためのプロセス~
山根:
国の制度の中で田中先生が発議する、小川先生が今後発議される中で、より中枢に近い意見になっていくためにですね、どういうプロセスをとるのかを今一度教えていただきたい。
田中:
党の中での議論する場はいくつかあると思うんですよね。現状、党の中で考えれば、リハビリテーション小委員会、小川先生が委員長されましたけれども、この委員会をいかにうまく活用してくのかという部分で、政務調査会という、党の政策決定機関・策定機関にいかに項目を挙げていくかというところが非常に重要になってくるというふうに思います。その上で、少なくとも、やっぱり現場の皆さん方が実際に現場の事実に基づいて、この法律あるいは政策も含めて、今の現状の課題をしっかり指摘しながら、どうあるべきかというのを明確に示すことが大事なので、まず職能団体の方がそこの提言・提案をしっかり挙げていただく。その上の事実を国会内でいかに広く周知していくのか、その機会が小委員会であり、それに基づいて議決しているのが小委員会という話になりますので、これを直接的に政府の上層部に挙げていくのは議員連盟ということになりますけれども、これが両輪になって、関係大臣から各省庁の方の中の具体的な検討という事でおろしていくということが大事になってくるかなと思います。ただ一つ一つの細目について大きな議論はなかなか国会議員の会議ではできないので、別途別の機会として、業界団体、職能団体と関係省庁が直接やり取りできる機会が別途必要だという話になるので、今回、昨年のリハビリテーションを考える議員連盟で、「厚生労働省の医事課と医療課と老人保健課の3課に、リハビリテーションの専門官をそれぞれ置いて、3課の課長と専門官と3協会の代表者が一堂に会して協議をする機会を定期的につくりなさい」と、その上で小川先生も今強調された法改正の議論をできるだけ早く進めるんだということは、議員連盟の際に、厚労省の方からしっかりと明言がありましたので、これをしっかり軌道に乗せて進めていきたい。その議論をいずれ議員連盟と小委員会でしっかりと挙げながら党の見解と政府への直接要望と両方のルートでしっかり実現できるように進めていくということになろうかと思います。その際に大事になってくるのは、先ほど小川先生と私の人脈という話もありましたけど、その場にどれだけ多くの国会議員が来るかということが基本大事です。これが民意のバロメーターでありますので、そういった部分では都道府県の理学療法士会・理学療法士連盟の皆さま方が、地元の国会議員の先生方、地方議員の先生方との関係、情報共有をどれだけ詳細にやっていただいているかということが最終最後の決め手になるというふうに思っております。
小川:
政治家もそうだけども、官僚もそうなんですよね。官僚との関係性をつくっていくのがすごく大事です。リハ議連の総会が終わった後、ある厚労省のメンバー何人かきてたんですけども。終わったあとで声掛けてくれたのがそれなりのポストについている人で、私が現職の時にちょっと親しくしてた人がそのポストに就いている。やっぱり積み重ねることもすごい大事なんですね。それともう一つ、私ができなかったんですけども、メディアの関係者と上手に付き合うこと。メディアを使うことで世論を動かすきっかけにもなるので。これがうまく使ったらいいなあっていうのは、私の一期目の反省でしたね。
~法改正に向けて~
山根:
最後に、理学療法士作業療法士法の文言ですよね。あれの邪魔になっているところっていうのはいかがですかね?
小川:
第一条です。法律の目的、制定目的が医療の質の向上なんですね。そうじゃないんです。第一条を変えないと、第二条にですね、公衆衛生が入ってこないですよ。あくまで医療で第一条で限定されている。
山根:
これはやっぱり、他の物よりも制度として大変な労力がかかるものですか?法律改定っていうのは?
田中:
少なくとも今のままが良いというふうな見解をお持ちの方がいる。元々、理学療法士作業療法士法の法律制定は、あん摩マッサージ指圧師・針きゅう師の方との業務上の競合あるいは業務範囲でかなりハードな意見対立があって、第一条に業務を適正にという、基本的に他業種の方々のことは侵害しない状態の範囲で仕事をしてもらう人ですよという、ありえないような文言が第一条に入っている状況の中で、あん摩マッサージ指圧師・針きゅう師の方との理解をきちんと得ていかなくてはいけないし、医師・看護師その他以外の人たちとの合意形成もちゃんとしていかなくてはいけないということもありますから、その部分では、若干骨が折れるところは正直あるかなというふうに思いますが、現実問題として、今、地域の中でリハビリテーション専門職が行われている実態というのは厳然とあってですね、そういった制度上の今の実態を踏まえていけば、あとはその実際にその業務、あるいは対応から得られている結果の妥当性を踏まえていけば、私は法改正の確固たる根拠はあると思います。この部分を明確にきちんと示していけるかいけないかというところはとても大事なところだなと思います。いずれにしても意見対立はどうしても起こるものなので、もうそれはしっかり乗り越えていかなくてはいけないというふうに思います。
小川:
やっぱりきちんとしたね。戦術をたてないと、法改正ってこの法律を変えれば済むって話ではなくて、この法律の周りにたくさんの法律があるじゃないですか。ここまで影響するので、どういう方向に持っていけば一番摩擦が少ないのかという、その戦略の立て方というのは、やっぱり相当に練らないと、我々がこうやりましょうみたいな話できる話じゃないと思ってるので。
山根:
それはちょうどお二方が揃われて、そういった環境ができるから。政治側で話をつけてまとめていくのか、それとも職能団体のその中に必要なのかというと、どういうチームを作ればよいか?
小川:
政治力というのは突破力なんですよね。だと思ってるんですよ。だからいることが大事。田中議員みたいに、声高に主張してもらったということがすごく大きな力になってる。だから政治力っていうのはその突破力であって、その突破するための論拠をつくるエビデンスをつくっていく、というのは職能団体の仕事ですよね。だからここは一致していかないと。ここだけの政治だけの話じゃない。職能だけの話じゃないという風に思います。
山根:
行先の理想点は、職能団体がある意味先導してつくっていく。もちろん先生方と話をしながら、そういうことでよろしいですか。
小川:
それが存在意義です。
田中:
現場で従事する方々が、どういう活躍を今後すべきなのかということが一番大事なんですよね、やっぱり、皆さん方が働いて、やっぱりそれに対しての報酬なりサラリーを得ていくっていうのは。質の高い国民サービスへのサービスをしっかり提供するからこそ、報酬を得られていくわけですから。現場の中で先生方が十二分に力を発揮されて、専門性の質の高いサービスを提供していただくためにですね、どうあるべきなのかというのは。現場サイドがやっぱり意見をきちんと吸い上げながらですね、やっぱり業界を取りまとめてらっしゃるようなところで、しっかりとそこはご検討、立案をまずいただくっていうのは大事であって、その上でその一つ一つの現実的なものなのかどうなのかという、その整合性があるのかという。立法的な部分できちんと説明がつくのかというところは、別途また、これは考えていかなきゃいけないんですが、最初からあんまりブレーキをかけてですね、これはどうなんだろうかとかじゃなくて、あるべき姿をまず第一段階としては考えていただくのがあるんですが、それでもただ現場の事実に基づいてないと、それは必要性を疑われるわけですから、そこはぜひ皆さん方で現場の意見を吸い上げて、パブリックコメントのような形で、会員の皆さん方に広くご意見を伺って、現場の問題としてどういった問題、課題があるのか、ぜひ吸い上げて、ただ、法律上は細かいことまで規定するわけではないので、あくまでも大きな方向性、理学療法、作業療法の定義をどうするかという話で、その大きなところの部分で、まずしっかりと業界団体が一致結束されて見解を示していただけると議論の素案に挙げやすいですよね。詳細な事項については、その次のレベルの段階での話だと思います。

山根:
個別の意見で点をどんどんどんどん打っていったら、こっちの方に行ってるじゃないかと。ここを改善しようよというところを見出せないとだめですね。わかりました。ありがとうございます。
最後に、小川先生の方から何かありましたら。
小川:
最近やっぱり政治離れとか政治批判、強いですね。こういう状況をつくったというのは、原因もあるわけですけれども、だからって、その政治をないがしろして良いっていうことにはならないと思っていて、だから批判されるべきところは批判される。もうこれは当たり前の話だけど、だからってその無関心になることは決して我々のためにならないというふうに思いますし、私たちは理学療法士の最大幸福のためにいるわけで。その政治がどうのこうのっていう話、イデオロギーが全く関係ないっていうことね。もう1回こう確認してほしいなーというのは、会員の仲間の皆さん、その与党側に対する批判と、私達が持つ政治力、お互いこれ一緒にしてほしくないなっていうのはお願いですね。その上で、その私たちのなすべきものは何なのか、何をやりたいのかということは一人ひとりが考えていただいて、それを実現するのが職能団体であり、政治力であるというふうなことにですね。意見集約ができるとありがたいなというのが私の願いであります。
山根:
昨今、若い人たちがある党を支援してですね、SNS上でこう、すごいことになってると、あ、これなんだということなんでしょうけども、それは社会の一般的なことはこちらの方である程度矯正できるかもしれませんが、理学療法士というものについては、先生方お2人いらっしゃって、そしてリハビリテーションを考える議員連盟があって、もうすでにその中で見えるもの、見えなくないものがこう制度になっているとそこが全部崩れて、他党にじゃあ一からやっていけっていわれると、また5年、10年かかるというのは感じています。ですので、やっぱりあの、まあこの動画を観たりですね。読んでいただける方々についてはですね。あくまで今おっしゃったように、イデオロギーとは別に、理学療法士を守るために。というところでいらっしゃって頂けるということで、まずはやはりこのご両人を参議院でいてもらうということが僕は大事だと思うので、どうぞよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。
