中央社会保険医療協議会 総会(第610回)開催 第1報

2025年6月25日に開催された中医協総会で、医療供給体制について現状と課題の議論がなされました。第1報では前半部分について報告します。

人口動態は、生産年齢人口が減少し85歳以上の高齢者数は 2040年頃のピークまで増加していきます。地域ごとでは、高齢者は大都市部を中心に増加し、過疎地域では減少傾向となる一方、生産年齢人口はほぼ全ての地域で減少するといわれています。

2040年の医療需要は、入院医療では、2020年と比較して85歳以上の高齢者の救急搬送は75%増加し、手術については、全ての診療領域で2020年から2040年にかけて、手術件数が減少すると見込まれています。外来医療については、全国的にすでに需要が減少傾向となっています。在宅医療や訪問看護については、大半の地域で需要が増加していきます。実際訪問看護ステーション数は増加傾向であり、医療保険の訪問看護療養費を請求している訪問看護ステーション数は、この5年で約1.5倍となっています。

医療従事者の現況について、医師は、総数として増加傾向にあるが、地域偏在や診療科偏在が課題となっています。看護職員は、就業者数は増加し就業看護職員の年齢別割合では、40歳以上の就業者が増加しています。訪問看護ステーションで働く看護職員数も増加しています。看護師学校の卒業者数は2021年をピークに減少傾向であり、看護師学校養成所(3年課程)では2024年度入学者の定員充足率は89.6%と低下しています。他の職種では、医療機関の従事者数は全体的に増加傾向で、特に理学療法士と作業療法士の増加が大きく、直近の国家試験合格者数は、理学療法士>管理栄養士>歯科衛生士の順で多い結果となっています。

以降、第2報に続く

出典元 厚生労働省HP 中央社会保険医療協議会 総会(第610回)

4. 医療提供体制等について P151~153

https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001508722.pdf