
2025年5月14日(水) 自由民主党本部にてリハビリテーションを考える議員連盟第11回総会(会長:鈴木俊一衆議院議員)が事務局長である理学療法士 田中まさし参議院議員の司会で開催されました。当議員連盟は181名より構成され、当日の会場にも大変お忙しい中多くの国会議員と全国のリハビリテーション専門職にて約180名ほどが出席されました。
冒頭、衆議院議員 鈴木俊一 会長より「リハビリテーション専門職の皆さまは、長寿化や疾病構造の変化が進む中において、今やなくてはならない大きな重要な役割を果たしておられる。一方で、処遇改善がすすすんでいないこと、訪問リハビリ等の需要に対する整備、書類業務により本来の専門性が十分発揮できないという環境など様々な課題について協議を進めていく」とご挨拶されました。また続けて、「リハビリテーションが大変重要な社会的な位置づけである中、田中まさし参議院議員が非常に頑張っている。小川かつみ参議院議員と2名体制でがんばっていただきたい」と述べられ、リハ議連の事務局長である理学療法士 田中まさし 参議院議員の政治活動について言及され支援の輪を広げるようお声かけいただきました。
また本総会において、理学療法士 小川かつみ 参議院議員が幹事長に就任されましたこともご報告させていただきます。

リハビリテーションを考える議員連盟 鈴木俊一 会長
リハビリテーション専門職三団体からの要望
健康で自立した生活力の向上に資するリハビリテーションの強化・推進に向けた要望として、日本理学療法士協会 斉藤秀之 会長、日本作業療法士協会 山本伸一 会長、日本言語聴覚士協会 内山量史 会長より、現場の課題と政策提言を具体的なデータに基づいて下記の通り要望が提出されました。
1.すべての3療法士に対するさらなる賃上げの確実な実現
2.訪問サービス提供体制の再構築と基盤強化
3.資格取得後の研修・生涯学習の制度的支援
4.文書・記録業務負担の大幅削減とタスクシフト・シェアの推進
5.リハビリテーション政策の総合的推進体制の確立
厚生労働省からは、賃上げはサービス提供に必要な人材を確保するため重要であり取り組んできているところで、その効果や物価の動向状況を把握した上で国の対応を検討すること。訪問サービスは令和6年度介護報酬改定においてサービス提供の拡大を図ったことを踏まえその取り組み状況を見極めていくことに加えて、2040年に向けては人口減少によるサービス需要の地域差があり1月から有識者検討会を設け議論を行っていること。研修については今年度から医療関係職種の卒後教育に関して調査研究を行いその結果をふまえ対応を検討すること。書類商務について専門職が対象者への直接的な業務に注力できるように負担軽減することが重要であり引き続き意見集約しながら検討していくこと。リハビリテーション体制強化に向けて各関係部署にリハビリテーション専門職を配置しており部局連携を強化して総合的推進体制を図ること。等、要望事項に対して回答されました。

日本理学療法士協会 斉藤秀之 会長

日本作業療法士協会 山本伸一 会長

日本言語聴覚士協会 内山量史 会長

厚生労働省より要望に対して回答
質疑応答にて 多くの議員よりリハビリテーション政策要望に強い後押し
リハビリテーション政策の要望に対して、出席した国会議員より骨太方針に向かって力強い後押しをいただきました。
「骨太の方針に向けての活動、そして報酬や予算編成をめぐる議論では、これまで“財政フレーム”の目安を打破して、別枠で物価上昇に連動する形で賃金の上昇を実現するげき」「現場の声が政治家の原動力になる。応援の言葉は確実に力になる。選挙で議員を送り出すことも政治参加の一つである」「文書記録業務負担に関して効率化を図る必要がありDX化を推進し生産性を向上させるべき」「リハビリテーション専門職の生産性向上は医療福祉全体の質向上に寄与する」「訪問看護ステーションの縮小傾向の中、訪問リハビリの提供体制の整備をすべき」「リハビリには改善効果がありそれを国は理解したうえで報酬評価をする必要がある」「リハビリ提供体制を確立していくためには60年間法律が変わっていないことは一番問題である」など要望事項に対する意見が活発になされました。厚生労働省からは、いますぐできることはしっかりやっていく事、また書類業務削減についても現場の方のご意見いただきと検討していきたいと回答をいただきました。

田畑裕明 衆議院議員(富山1区)

鬼木誠 衆議院議員(福岡2区)

加田裕之 参議院議員(兵庫選挙区)

中村裕之 衆議院議員(北海道4区)

櫻井充 参議院議員(宮城選挙区)

坂本哲志 衆議院議員(熊本3区)

滝波宏文 参議院議員(福井選挙区)

小野田紀美 参議院議員(岡山選挙区)

山下貴司 衆議院議員(岡山2区)

稲田朋美 衆議院議員(福井1区)

小川かつみ 参議院議員(全国比例区・理学療法士)
決議案は全会一致で承認 ~骨太の方針へ~
総会の最後には、リハビリテーション専門職の賃上げなどを含む5項目がリハビリテーションを考える議員連盟の決議として全会一致で承認されました。
最後に、幹事長である 田野瀬太道 衆議院議員より「リハビリ職が生き生きと活躍することは社会全体にとっての利益。制度と評価がその実態に追いついていない」と総括され、「まずは骨太の方針、そして法改正を含めた改革の実現に向けて、議連として引き続き取り組んでまいりたい」と力強くご発言いただきました。

幹事長 田野瀬太道 衆議院議員(奈良3区) 閉会のご挨拶