60年変わらぬ身分法の抜本的見直しと、国家戦略としてのリハビリテーション推進を可決 〜「リハビリテーションを考える議員連盟」第13回総会~

令和8年4月22日、憲政記念館において「リハビリテーションを考える議員連盟」の第13回総会が開催されました。本総会において、理学療法士 小川かつみ参議院議員が事務局長として司会進行され、同じく理学療法士 田中まさし衆議院議員が事務局長代理に就任されました。多くの国会議員をはじめ、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会の3団体代表、および厚生労働省、文部科学省、法務省などの関係省庁が出席し、今後のリハビリテーション政策の根幹に関わる重要な議論が行われました。岐阜県選出国会議員では本議員連盟の副会長を務める古屋圭司衆議院議員が出席されました。

リハビリテーション3療法士会 要望事項

  1. 約60年変わらない「理学療法士及び作業療法士法」の現代・次代を見据えた抜本的見直し
  2. 最低学位の3年制教育から世界レベルの4年制養成課程以上へ
  3. リハビリテーション施策を国家戦略として総合的かつ戦略的に推進するための統括部署の設置
  4. 報酬改定に紐付かない恒久的財源による処遇改善
  5. 医療・福祉・予防・保健・海外展開にいたる一気通貫のリハビリテーション施策の推進及びこれに必要な新たな財政措置
  6. 訪問リハビリテーションサービス提供専門機関新設の検討
  7. 外国人在留資格「医療」の項に「言語聴覚士」を追記
1. 60年放置された「理学療法士及び作業療法士法」の抜本的見直し
本総会で最も強調されたのは、1965年の制定以来、一度も改正されることなく60年が経過した「理学療法士及び作業療法士法」の現状です 社会構造が激変し、リハビリテーションの役割が医療・介護のみならず、予防、就労支援、地域生活へと拡大しているにもかかわらず、法律が実態に追いついていないことが強く指摘されました。これを受け、次代を見据えた抜本的な法改正を早急に実施することが盛り込まれた決議文が採択されました
2. リハビリテーション専門職の地位向上と処遇改善
会員の皆様にとっても喫緊の課題である処遇改善について、以下の具体的な提言がなされました。

●賃金格差の解消: 2025年の統計では、3療法士の給与は全産業平均と比べて102万円もの差が開いており、人材の流出が懸念されています
●恒久的財源の確保: 診療報酬・介護報酬改定に左右されない、高級的・継続的な財源による処遇改善を政府に強く求めることが決議されました
●4年制大学教育の義務化: 世界標準の教育水準に合わせ、専門性の向上と職業的魅力を高めるため、養成教育を4年制大学課程とすることが提言されました

3. 訪問リハビリテーションの供給不足解消
現在、訪問リハビリテーション事業所が存在しない自治体は全体の約4割にのぼり、特に中山間地域や人口減少地域での供給不足が深刻です この課題に対し、退院直後の早期介入が医療費削減や要介護度の悪化抑制に大きな効果(半年で1人あたり約107万円の削減効果など)をもたらすとのデータに基づき、「訪問リハビリテーションサービス提供専門機関」の新設に向けた検討を開始することが決議されました
4. 国家戦略としての推進体制整備
リハビリテーション施策を医療、介護、予防、DX、国際展開まで一気通貫で推進するため、厚生労働省内にこれらを統括する「リハビリテーション課(仮称)」を早急に設置することが求められました

会長挨拶・議員連盟の決意

鈴木俊一会長は冒頭、「リハビリ3団体による力強い支援により、政治的にも大きな力を得ることができた。今後は現場の声、現場の要請をしっかりと受け止め、課題解決に邁進したい」と述べ、60年間放置されてきた法律の見直しを軸に、リハビリ専門職が誇りを持って働ける環境を政治の責任で実現する決意を表明しました
今回の決議内容は、リハビリテーションを「成長のための投資」として位置づけ、その水準を世界レベルへと引き上げる国家戦略の第一歩となります。岐阜県理学療法士連盟としても、これらの提言が実効性のある政策として実現されるよう、引き続き注視し、地元国会議員への働きかけを続けてまいります。