2026年3月12日(木) 岐阜県理学療法士連盟主催「リハビリテーションの未来を考える会」を開催いたしました。日頃より大変お世話になっている今井るる岐阜県議会議員もご出席される中、講師に理学療法士 小川かつみ参議院議員、NPO法人ReMindの理学療法士 吉井麻美 代表 をお迎えして、国政報告を踏まえて最近のトピックスについてご講演いただきました。
1. 「母体ケア議連」の設立と背景
2023年11月、理学療法士 小川かつみ参議院議員が事務局長を務める「産前産後の母体ケアを通じた包括的女性支援を考える議員連盟(通称:母体ケア議連、会長:加藤勝信 衆議院議員)」が超党派で設立されました。 この議連は、これまで日本において「出産は病気ではない」という文化的な背景から軽視されがちだった、産前産後の身体的ケアを医療的側面から支援することを目指しています。
本議連に岐阜県選出の野田聖子 衆議院議員や、古屋圭司 衆議院議員が顧問、若井あつこ 参議院議員が事務局次長として名を連ね、力強いご支援をいただいております。
小川かつみ参議院議員ホームページ
2. 「1万人ママアンケート」が明かす衝撃の実態
議連の議論のベースとなったのは、NPO法人ReMindらによって実施された「1万人ママアンケート」の結果です。約1万1,000件の出産事例に対する回答から、以下のような深刻な実態が浮き彫りになりました。
●身体的トラブルの経験率: 出産経験者の91%が、腰痛、尿漏れ、股関節痛などの何らかの身体的トラブルを経験しています。
●メンタルヘルスとの相関: 身体的トラブルを抱える方の約1割に、産後うつの指標となる項目への該当が見られました。身体の不調は、育児への自信喪失や家族関係の悪化にも直結しています。
●職場復帰への影響: 産後1年時点での身体パフォーマンスの回復率は自己評価で平均6割程度に留まっており、これがプレゼンティズム(出勤しているが不調によりパフォーマンスが低下している状態)や離職の原因にもなっています。
アンケート結果は特設サイトより
1万人ママの声を聞かせて – 特設サイト
3. 理学療法士に期待される役割と「産科」の壁
産後のトラブルは、筋骨格系や運動機能の専門家である理学療法士の得意分野です。しかし、現状では産婦人科医は骨格系の専門ではなく、整形外科医は産後の特殊な内部障害や機能変化に目が向きにくいという「エアポケット」が生じています。
理学療法士がこの分野に介入することで、以下のような効果が期待されています:
●適切な評価と介入: 腹直筋離開や骨盤底筋群の機能不全に対するバイオフィードバックを用いた治療など。
●予防的アプローチ: 妊娠前からのプレコンセプションケアや、成長段階での姿勢教育を通じたトラブルの未然防止。
4. 今後の展望:法改正と地域連携
議連では今後、母子健康手帳への母体チェック項目の追加や、産後ケアの法制化に向けた議論が進められる予定です。また、理学療法士・作業療法士法が制定から60年以上経過し現状と乖離していることから、地域で住民が直接リハ職にアクセスできる仕組みづくり(法改正)に向けた検討も進んでいます。
岐阜県理学療法士連盟として、国政でのこうした動きに呼応し、岐阜県内でも行政や他職種との連携を深め、理学療法士が女性のライフステージすべてを支える存在として活躍できるよう、活動を推進してまいります。
皆様におかれましては、この新しい領域への理解を深めていただくとともに、地域からの声を集約し、大きなうねりとしていくためのご協力をお願い申し上げます。
研修会後、今井るる岐阜県議会議員を囲んで懇親会を開催し意見交換をさせていただきました。
令和8年第1回岐阜県議会定例会が開催されており、
3月13日(金)今井るる岐阜県議会議員は下記一般質問されました。1 県民の健康寿命の延伸に向けた今後の取組について
2 プレコンセプションケアの推進に向けた取組の現状と展望について