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12月12日(木)憲政記念館(代替施設)にてリハビリテーションを考える議員連盟第10回総会(会長:鈴木俊一衆議院議員)が開催されました。第216回国会(臨時会)にて、当日午前中は衆議院予算委員会、午後にも各委員会が開催され大変お忙しい中、国会議員の、理学療法士で議員連盟事務局次長である田中まさし参議院議員を含め参議院議員の出席が難しい中、国会議員出席36名(代理出席含めると101名)、また平日昼間にもかかわらず全国のリハ専門職団体79名も同席し会場が埋め尽くされるほど盛会となりました。
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鈴木俊一 会長よりご挨拶
司会進行は、参議院議員 田中まさし事務局次長のもと、衆議院議員 鈴木俊一会長より冒頭のご挨拶をいただく。「人口構成が変わり高齢化が進んでいる。それに伴い疾病構造も変わってくる中で、リハビリテーションの役割は年々大きく、活躍いただくフィールドの裾も広がっている。正月の能登半島地震の際、現地にて運動指導や環境整備など被災者の方々へ尽力いただいた。こういった努力が評価され、防災基本計画にリハビリテーションが加えられたことは大変意義があった。」このことを一例として、制度的にも認識しながら支えていくことが重要である。」、また「処遇の面で厳しい状況下で前回の総会において課題であった診療報酬改定では、プラス改定でコメディカルの処遇改善にあてるという限られた財源の中で決定した。より良いリハビリテーションの環境を作るため引き続き努力していきたい。」と述べられました。
会長挨拶の後、衆議院総選挙を受けて「新規入会議員紹介及び役員選任について」
前回総会より新規入会議員21名 合計175名となり、田野瀬大道 事務局長が幹事長へ、田中まさし 事務局次長が事務局長へ就任することが承認されました。
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司会進行を務める 田中まさし 新事務局長
健康で自立した生活力の向上に資するリハビリテーションの強化・推進に向けたリハビリテーション専門職三団体からの要望として、日本理学療法士協会 斉藤秀之 会長、日本作業療法士協会 山本伸一 会長、日本言語聴覚士協会 内山量史 会長から、3協会合意の合意事項として下記6項目に関して分担して説明されました。
- さらなる賃上げ及び介護・福祉等分野に就労するすべての3療法士に対する確実な賃上げの実現
- 地域包括支援センターの3療法士配置及び自立支援ケアマネジメントの強化
- 急性期病床における早期の在宅復帰にむけた3療法士の配置強化
- 3療法士各団体が行う資格取得後の研修の推進及び修了者の評価
- 厚生労働省におけるリハビリテーション課の設置及びリハビリテーション政策の総合的推進
- 特別支援教育における3療法士の活用
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日本理学療法士協会 斉藤秀之 会長
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日本作業療法士協会 山本伸一 会長
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日本言語聴覚士協会 内山量史 会長
厚生労働省と文部科学省より、リハビリテーション専門職の活用が重要であり、賃上げや地域包括支援センターや特別支援学校等への活用について環境整備に務めていくこと、リハビリテーション課の設置では、早期から在宅へ向けたリハビリテーション実施は質向上の観点より重要で、関係部署で職員増員し、理学療法士の資格を持つ職員を配置してきた。一方、リハビリテーションは多くの領域に及ぶため、それぞれの部署が縦割りではなく、横断的に連携しながらリハビリテーションの取組を推進していきたい。各要望項目について説明と回答がなされました。
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要望に対して関係省庁より説明及び回答
協議意見交換において、今回も下記のように多くの国会議員の皆さまより活発なご意見をいただきました。
厚生労働省に対して、特に賃上げに関してご意見いただき、各要望の実現に向けて、課題を明確にしたワーキングチームの設置すること、リハビリテーション専門職が活動するためのエビデンスによる経済効果を示すこと、予防医学でのリハビリテーションが活きること、来年の夏の政府骨太方針の中に一致団結して当初予算で物価上昇分と賃金上昇分の配慮する必要があること、こどもたちの脳性麻痺や低酸素脳症などにも急性期であるほど効果があるにも関わらず、顧客が高齢者に寄っており、こどもとのアクセシビリティが制限されていること、など皆さまより力強いご意見をいただきました。
古屋圭司 衆議院議員(岐阜5区)、田畑裕明 衆議院議員(富山1区)、山下貴司 衆議院議員(岡山2区)、若林洋平 参議院議員(静岡選挙区)、自見英子 参議院議員(全国比例区)、城内実 衆議院議員(静岡7区)、野田聖子 衆議院議員(岐阜1区)
*発言順で記載
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古屋圭司 衆議院議員(岐阜5区)
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田畑裕明 衆議院議員(富山1区)
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山下貴司 衆議院議員(岡山2区)
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若林洋平 参議院議員(静岡選挙区)
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自見英子 参議院議員(全国比例区)
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城内実 衆議院議員(静岡7区)
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野田聖子 衆議院議員(岐阜1区)
田中まさし参議院議員から、「議論を進める上で厚生労働省医事課、医療課、老人保健課に専門官のような担当官を置いていただき、3課の課⾧と専門官と3団体の代表者と定期的に議論する場を作っていただきたい。法改正の議論を含めた話をできるだけ早く進めていただきたい。」とご発言され、厚生労働省医政局より「 ご提案のような形で進めさせていただく。」と回答が述べられました。
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リハ3協会より提出された要望事項がリハビリテーションを考える議員連盟の決議案について報告され満場一致で承認されました。最後に、鈴木俊一会長より処遇改善に向けた活動を継続していくことが述べられ閉会となりました。
選挙を経験するにつれ、多くの国会議員の賛同が得られるようになっており、政策要望をさらに前へすすめられるよう引き続き都道府県において地元国会議員の皆さまとの連携を強化していただけるよう共に努力してまいります。