私は、連盟の使命として分かりやすい「組織代表を国政に送り、理学療法士の身分(待遇)を向上させる」という一念をもって立候補させていただき、本年2月25日の総会にて、会長を拝命させていただきしました。自らが掲げた使命と使命に向けた職責を果たすため、一生懸命頑張りますので、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
さて、この使命を果たすには、実はもう一つ重要な要件があります。それは、私たち理学療法士が、この国や国民に何を貢献できるのかということです。
理学療法士は事故や疾病、加齢等によって機能障害を抱えた方々を対象としてきました。思い起こせば、30年前の対象者の多くは、戦後の焼け野原の貧しい中で、働きに働いて日本の復興を支えた方々でした。それから時は過ぎ、20年前の対象者の多くは、「モーレツ社員」とも呼ばれ、寝ることを惜しみ会社に泊まり込んでまで働き、日本の高度成長に大きく貢献した方々でした。さらに、その後方支援には女性がいました。
他方、視野を広げれば、障害を持って生まれてきた子供達、難病に苦しむ人々、こういった方々も、誰かを悲しませないために今日も一生懸命に生きています。
このように、現在の日本は先人の汗や努力、そして「生きる」を頑張る人々によって築かれたもので、私たちは今日もその恩恵をいただき、社会の中で生活しています。
揺れ動く社会であっても、先人や一生懸命に生きる人々から与えられる「頑張り」のループは不変です。ならば、こういった人々に私たちができることは、「いつでも、どこでも、必要な理学療法を必要なだけ提供できる環境をつくる。」ことであり、これが理学療法士の責務だと私は考えてきました。
私たちは、自分自身の日々の努力に自負すると同時に、国民への貢献に資する「真のリハビリテーション前置主義」に向けて大きく帆を張って進み行かなければなりません。
皆で協力して頑張ることで、この思いを実現できることを信じ、会長のご挨拶とさせていただきます。
日本理学療法士連盟
会 長 山根 一人